蓼科農道楽の自然農法

信州蓼科高原で無耕起・無施肥・無農薬で野菜の栽培をしています。このブログでは、安全で美味しい野菜をできるだけ手間暇かけずに栽培する方法を工夫し、とくに家庭菜園を実行している人の参考になることを目的にしています。

ニンニクの冬ごもり

(わたし)

おいニンニクよ、寒くなってきたから、そろそろ冬ごもりの準備だ。

(ニンニク)

おれ、寒さに強いからまだ大丈夫だよ。

(わたし)

そうもいかないんだよ。お前のところはたった500株だけど、全部で20,000株あるから、いまから始めても最後のところは11月中旬になっちまうんだよ。わかってくれよ。

(ニンニク)

わかったよ!せっかく紅葉を楽しもうと思ったのに。

(わたし)

わかってくれてありがとう。じゃあ、お前たちの間を軽く溝を切るからな。

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(ニンニク)

溝を切って何を撒いたんだ?

(わたし)

ボカシ(発酵肥料)だよ。お前たちが飢え死しないように、土の中の有機物を発酵させて肥料にするんだよ。だからほんの少し撒いたんだ。

(ニンニク)

こんなに少しで大丈夫なのか?

(ビセイブツ)

任せておきな。この畑の土の中には有機物が沢山入っているから、これで十分だよ。どうせ、お前たちは冬の間はあまり食事しないだろう。春になったらたっぷり食べさせてやるから。

(ニンニク)

宜しく頼むよ。微生物よ命預けたよ。

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(わたし)

ビセイブツよ土と混ぜるからな。

(ビセイブツ)

頼むよ。何といってもおれたち太陽の光が苦手だからな。

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(わたし)

全部すんだから、掛布団をかけるよ。今は刈り草だけだけど、もう少しすると雪の掛布団をかけるからな。おやすみなさい!

(ニンニク・ビセイブツ)

また来年。

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ニンニクは寒さには強いが、この畑は標高1,000mにあり、真冬には氷点下2桁になることもある。雪が降ると刈り草の上前面が雪で覆われるため地温があまり低くならず、良質のニンニクを栽培することができる。2015年は暖冬のため雪が少なかったので不作だった。

ニンニクにかける草(掛布団)は夏の間に刈ったものを通路に敷き、ボカシをぱらぱらとかけておく。今の時期になると土との境目付近はミミズや微生物によりかなり分解されている。

4月から5月ごろになると、トウ(ニンニクの芽と言われているが本当は芽ではなくトウが正しい)が立つのでトウ摘みで忙しくなる。摘んだトウはいろいろな料理方法で食べることが出来る。美味しい!

収穫は6月末~7月初旬。少しのあいだ乾燥させるので出荷は7月末~8月初旬。