蓼科農道楽の自然農法

信州蓼科高原で無耕起・無施肥・無農薬で野菜の栽培をしています。このブログでは、安全で美味しい野菜をできるだけ手間暇かけずに栽培する方法を工夫し、とくに家庭菜園を実行している人の参考になることを目的にしています。

いよいよ冬本番

ノザワナ)おい今朝は寒いな。

(ダイコン)それはそうだよ、マイナス3.9℃だってよ。おれは、根っこがやられないように、葉っぱで覆っているんだよ。

(キャベツ)そろそろ俺たちも収穫だな。人間どもはこの時期を待っているらしいぞ。

(わたし)・・・・・・・

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今朝の最低気温はマイナス3.9℃(原村アメダス 00時40分)野菜たちは寒さに必死に耐えています。でも、野菜の味は甘みが増し、美味しくなります。また、柔くもなります。野菜の自己防衛反応です。いいよいよ収穫です。

 

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畑の福袋

10月3日

先日、5年以上経った古い種を発見したので、7~8種類の種を混ぜてバラマキし、レーキで土と軽く混ぜておいた。果たして芽が出るかどうかも分からない。でも、芽が出てきた、まだ何の芽だかわからない。

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10月9日

少し大きくなってきた。でも、まだ何の芽だかわからない。

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10月23日

だいぶ大きくなってきた。もう野菜の名前を特定できる。コマツナ・ハダイコン・カブ・リーフレタスの4種類。あとの数種類はダメ✖か?

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10月31日

コマツナ

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ハダイコン☟

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カブ☟

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もうじき収穫。でもここでまた悩みが始まった、私は独居老人、こんなに沢山の野菜を一度に食べられないよ。牛や馬じゃないんだから。

 

 

9月の終わりに、捨てるはずの5年以上経った古い種を、たまたますぐに使用予定がなかった場所に、肥料をやらずに播いておいたらこの通り。本当に土が良く出来てくると、人間のやることは、種まきと収穫だけ、あと何も手を掛けていない。これ全部が高価で販売されている「無農薬野菜」。つまり「安全で美味しい野菜」を栽培するには、野菜を作るのではなく土を作るのです。

 

 

 

 

ニンニクの冬ごもり

(わたし)

おいニンニクよ、寒くなってきたから、そろそろ冬ごもりの準備だ。

(ニンニク)

おれ、寒さに強いからまだ大丈夫だよ。

(わたし)

そうもいかないんだよ。お前のところはたった500株だけど、全部で20,000株あるから、いまから始めても最後のところは11月中旬になっちまうんだよ。わかってくれよ。

(ニンニク)

わかったよ!せっかく紅葉を楽しもうと思ったのに。

(わたし)

わかってくれてありがとう。じゃあ、お前たちの間を軽く溝を切るからな。

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(ニンニク)

溝を切って何を撒いたんだ?

(わたし)

ボカシ(発酵肥料)だよ。お前たちが飢え死しないように、土の中の有機物を発酵させて肥料にするんだよ。だからほんの少し撒いたんだ。

(ニンニク)

こんなに少しで大丈夫なのか?

(ビセイブツ)

任せておきな。この畑の土の中には有機物が沢山入っているから、これで十分だよ。どうせ、お前たちは冬の間はあまり食事しないだろう。春になったらたっぷり食べさせてやるから。

(ニンニク)

宜しく頼むよ。微生物よ命預けたよ。

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(わたし)

ビセイブツよ土と混ぜるからな。

(ビセイブツ)

頼むよ。何といってもおれたち太陽の光が苦手だからな。

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(わたし)

全部すんだから、掛布団をかけるよ。今は刈り草だけだけど、もう少しすると雪の掛布団をかけるからな。おやすみなさい!

(ニンニク・ビセイブツ)

また来年。

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ニンニクは寒さには強いが、この畑は標高1,000mにあり、真冬には氷点下2桁になることもある。雪が降ると刈り草の上前面が雪で覆われるため地温があまり低くならず、良質のニンニクを栽培することができる。2015年は暖冬のため雪が少なかったので不作だった。

ニンニクにかける草(掛布団)は夏の間に刈ったものを通路に敷き、ボカシをぱらぱらとかけておく。今の時期になると土との境目付近はミミズや微生物によりかなり分解されている。

4月から5月ごろになると、トウ(ニンニクの芽と言われているが本当は芽ではなくトウが正しい)が立つのでトウ摘みで忙しくなる。摘んだトウはいろいろな料理方法で食べることが出来る。美味しい!

収穫は6月末~7月初旬。少しのあいだ乾燥させるので出荷は7月末~8月初旬。

 

 

 

 

ナス君寒かったろう

(ナス)

今朝は寒かったな~。

(わたし)

それはそうだよ、今朝の最低気温は0.7℃(注:農場の近くにある原村のアメダスのデータ)だったから。

(ナス)

どーりで、凍え死にそうだったよ。

(わたし)

これからどんどん寒くなるよ

(ナス)

そろそろ俺も店じまいかな。

(わたし)

ご苦労様でした。来年もよろしくね。

(ナス)

あいよ!。でも、居候のハクサイの奴まだ元気だぜ。

(わたし)

あいつは寒さに強いんだよ。

(ナス)

でも、あいつは俺の肥料を横取りして育っているんだぜ。

(わたし)

寒くなってきて、おまえが肥料をあまり欲しがらなくなってきたから、そのお零れで育っているんだよ。お前だって盛んな頃にはササゲのお零れを貰っていただろう。

(ナス)

あーそうか。納得!。

 

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10月25日朝3:20の気温0.7℃

このナスの畑は10年以上、無耕起・無施肥(発酵剤としてEMボカシをを使用)そして連作。草は抜かずに地上部のみを刈り、刈った草はそのままその場に置く。自然の摂理に従えば発酵剤も不要のはず。

この場合に注意しなければいけないことは、野菜同志の相性を考慮すること。例えば、ダイコンとネギ、ジャガイモとキャベツは相性が悪いので避ける必要がある。

 

 

長ネギ定植の準備

新しく借りた畑で来年栽培する長ネギの準備を始める。溝を切り、発酵剤を散布し、その上に少し刈り草を乗せてから埋め戻す。その上に刈り草を被せて冬を越す。厳寒期には雪のかけ布団の下でゆっくりと休む。でも、その間にも、土の中の虫や微生物達は人間のために(?)刈り草を分解し肥料にしてくれる。来年の春になったら、長ネギ(松本一本ネギと下仁田ネギ)を定植する予定。刈り草は来年の春までには完全には分解しないが、土の下の刈り草を少しずらして定植する。

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1条20m、株間10cmとすると1条あたり200株植えることが出来る。1万株を植えるにはこの溝を50本切る必要がある。条間は1m。

 

植える予定のネギ苗。春にはもっと大きくなっている。

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おい!アゲハ

(わたし)

おい!アゲハお前の兄弟はとっくに飛び立ったぞ。

(アゲハ)

仕方ないだろ、あとから生まれたんだから。

(わたし)

そうか。でも、葉っぱを丸坊主にするなよ。それに、隣のキャベツはモンシロチョウの分だぞ。

(アゲハ)

わかってるよ、キャベツは嫌いだから。でも、なんでこんな近くに植えるんだよ。

(わたし)

モンシロチョウはニンジンの臭いが嫌いだから。

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 (わたし)

おい!アゲハ。何を見てる。

(アゲハ)

どこかで農薬撒いてないか監視してる。

(わたし)

この難民収容所は大丈夫だ。農薬は絶対に撒かないよ。だから、この畑の中にあるほかのニンジンには手を付けるなよ。

(アゲハ)

わかった。安心したよ。

(わたし)

でも、鳥が狙ってるぞ。

(アゲハ)

脅かすなよ!

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コンパニオンプランツ豆知識】

ニンジンが属する「セリ科」とキャベツが属する「アブラナ科」は、お互いが発散する臭い成分により防虫効果がある。ただし、ニンジンとアブラナ科野菜の種まきの時期をずらすことが重要。ニンジンは種を播いてからある程度の大きさに成長するのに時間がかかるので、同時に種を播くとアブラナ科野菜のほうが先に大きくなってしまい、ニンジンがモンシロチョウ被害を防いでくれない。下の写真はニンジンの間にカブを栽培した例。ニンジンの葉がカブの葉にモンシロチョウが止まるのを防いでいる。

【注:難民収容所(バンカープランツ)】農場の隅の方で他の畑で散布された農毒薬が掛からないような場所に、いろいろな野菜を少しづつ栽培して、虫の難民収容所にしている。ニンジンの葉にアゲハの幼虫を発見した時は、殺さずにここに強制移住させる。

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キャベツの切り株から芽が出てきた

草だらけのキャベツ収穫あとを整理したら、キャベツの切り株から新しい命が芽生えていた。

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春の準備の邪魔になるので取ってしまおうかと思ったが、せっかくの命を奪ってしまうのは忍びないので残すことにした。

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周辺にEMボカシを散布する。

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その上に刈った草を敷き戻す。この刈り草は、土中の虫や微生物の掛布団。この状態で、氷点下二桁になる冬を過ごす。来年はここにキャベツとレタスの苗を葉が接触するぐらいの距離で交互に植える。そうすると虫の被害を軽減できる・・・はず?・・・今年は見事に失敗した。

失敗理由:キャベツとレタスの種まきを同時にやってしまった。

レタスの種まきをさきにし、レタスが発芽し、少し大きくなった頃にキャベツの種をまくのがコツ。

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今年の失敗:写真では、キャベツよりレタスのほうが小さい。これは逆。レタスがキャベツより大きくなくてはダメ!

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